<2>生け花★


「安倍榊様ともあろうお方が、生け花一つ出来ないとは」


 嘆くような顔で、柊に言われ、祀理は息を飲んで俯いた。
 いきなりそんな事を言われても困るのだ。
 だってこれまで、こんな世界とは無縁で生きてきたのだから。

「じゃあ、僕たちで教えてあげれば良いではありませんか」

 すると助け船を出すように、桜がそう言った。
 こうして、祀理は生け花を習う事になった。


「ん、んんぅ」

 だが何故なのか、五瀬に口を縛られ、体もまた両足が肩に近接するように縛られた。
 着物が乱され、祀理は、何も言葉を発する事が出来ないまま、体を震わせた。

「まずは、花生けが必要ですね。初めてですし、花瓶で良いでしょうか」

 そう言いながら、祀理の胸の突起の両方に、洗濯ばさみみたいなクリップを柊が填めた。それらを隠すように花が胸を覆う。

 苦しい体勢で動けなくなったまま、その痛みに祀理が背を撓らせた。

「とりあえず、水を用意しないといけませんね」

 にこやかに微笑み、バイブのようなものを、粘着質な液体が入る桶に、桜が浸す。
 唯一自由になる視線でそれを祀理が見据えると、太い木のようなもので出来たそれの中央には、大きな穴が空いていた。

「ふ、んぅッ!!」

 表面にこそぬめりがあるとはいえ、直後その太い物体を後孔へと押し込まれて、祀理は目を見開いた。睫が揺れ、肩が震える。

「花瓶はこれで良いでしょう」
「けれど、メインにする箇所がまだ無いからね」
「そうでした」

 柊の言葉に、今度は桜が再び、木のような棒を液体に浸す。
 その棒は、先端に細い穴が空いていた。
 声を放てない代わりに涎を零しながら、同時に涙も落としそうになる。

「ンっ」

 今度は無理矢理、陰茎を扱きあげられた。
 そしてヌルヌルとした桜の手の感覚に堪えられなくて、勃起してしまう。
 すると立ち上がったそれを見て、桜が微笑んだ。

「そろそろ丁度良くなった頃合いですね」
「そうだね」

 柊が頷いたのを確認してから、桜が今度はその木を、祀理の男根を覆うようにゆっくりと動かした。

「あッふ、ンぅ!!」

 悲鳴を上げようとしたのに、拘束された口からは、声が出てこない。
 ゆっくりとその木を、まるで口淫するかのように抜き差しされ、苦しくなる。
 その感覚だけで、達してしまいそうになった。

「五瀬」

 そこへ柊が命じる。
 すると頷いた五瀬が、キツク祀理の陰茎の根元を縛り、それから前にはまった木の棒を斜めや交差するように縛り上げた。外れなくなり、動かなくなったそれに、祀理は震えながら、涙を零した。しかし声を出す事も許されない。

「さて、そろそろ花を生けようか」

 そう告げ、柊がクスクスと笑った。
 そして後ろの、大きく後孔を広げ突き立てられている、中が空洞の木の棒の中へと、沢山の花を押し入れていった。

「っ」

 それがわかって、恥ずかしくなって、思わず目を伏せ羞恥に震える。

「だめだめ、動かないで。花瓶は、動かないものなんだから」

 色とりどりの花が突き立てているらしく、それらは時折太股に触れた。
 撫でられるようなその感触がもどかしくなり、後ろの木の穴がもう入らないだろうと思えるほど、花で満たされたときのことだった。

「ふぁあ、ひッ!!」

 思わず目を見開き、口を縛る布越しに、祀理は嬌声を上げた。
 いきなり、中へと押し込まれていた太い木の棒が震動を始めたのだ。
 思わず腰を動かしてしまう。

「ああ、もう。折角生けた花が、崩れちゃったじゃないか」

 すると冷たい柊の声が降ってきた。

「やり直しだね。こんな生け方、柊の矜持に反するから」
「あ、あっ、ふンッ」

 しかし激しい棒の動きに、涙も震えも止まらない。

「動かないでね、今度こそ。良い? 動けば動くほど、やり直す時間は増えるんだからね?」

 最早震動が辛い祀理には、震動に堪えきる事しか、解放される瞬間が分からなかった。
 太股だけを振るわせて、必死に、そう必死に、腰の動きを止める。
 ダラダラと涎を零したまま、内部の震動にも堪えた。

「柊様、こちらのお花は、こう言う角度の方が良くありません?」
「ン――!!」

 必死に我慢しているというのに、その時桜が、胸のクリップを一度外し、別の位置にはめ直した。背が撓り、もう震動に堪えきれなくなった腰が、大きく動いてしまう。伏せた双眸からは、ボロボロと涙がこぼれた。

「そうだね、桜――うーん、榊様は、また花の位置を変えちゃって。やり直しだよ、これじゃ」
「ふ、ふゥ、あ」

 それから大量の花を震動する棒に突き刺され、漸く終わるのかと思う頃には、桜に耳の中を撫でるように小さな花で擽られたり、クリップの位置を再び変えられたりして、またやり直しになっていく。

 震動に熱くなった体が、もうどうしようもなくて、何度も気がつけば、祀理は泣きながら、尻を振っていた。

「んー、そんなに振られると、生けられないんだけどなぁ」

 柊がわざとらしく困ったような声で言う。
 すると桜が手を叩いた。

「じゃあ、先に前から生けたらどうですか?」

 その言葉に、柊が苦笑するように頷いた。

「それしかないね」

 頷いた柊が、今度は、木の棒で覆われた、先端にだけ穴がある祀理の陰茎を見据えた。
 手には先端に花が着いた細長い棒が握られていた。
 その後、根本を縛られた。

「!!」

 ドロドロとした盆の中の水にそれを浸してから、いきなり、花のついていない方の先端を、木の棒の穴から祀理の尿道へと、柊がそれを突き立てた。驚きと衝撃で祀理が目を見開く。しかし、中までゆっくりとその針のように細い棒は入り込んできた。

「ん、んぅ!!」

 苦しくて瞼を伏せていると、今度はゆっくりとそれが引き抜かれた。

「うーん、やっぱり、メインの箇所は、角度を考えちゃうよ」

 そう言いながら、柊がその棒を抜き差しする。
 その度に恐怖から体を震わせていた祀理は、次第にそこに走る快楽に気づいた。

「ふぁ、ッんぅ」

 尿道を嬲られる感覚に、涙を零し始める。
 それを見て取り、柊が意地悪な笑みを浮かべた。
 そしてギリギリまで引き抜き、首を傾げる。

「どうしようかなぁ?」
「あ、はぁッ」

 いつの間にか朦朧としてきた意識の元、もっと奥まで入れて欲しくなって、体が震えた。

「榊様は、どんな風に飾って欲しい?」
「ん、はぁ」

 喋れないのにそんな事を聞かれて、涙が出てくる。

「ふぅん。中まで強く押し込んで振るわせて欲しいんだ」
「ンぁ――!!」

 そう告げると柊が、一気に奥深くまで棒を突き立て、それを繊細な指先でユルユルと揺らした。まるで、イきっぱなしの様な感覚になり、ぐったりと祀理は崩れ落ちそうになったのだが、後ろ手に手首を拘束され柱に結びつけられている上、そこに限界まで開かされ、乗せるように拘束されている足では、もう震える事しかできなかった。

 その上着物を乱すようにして、乳首を弄るように、花の位置を弄ったり、クリップをはめる場所を悩んでいるように、胸の突起自体を嬲っている桜の手は止まらない。

 そして何より辛いのが、中で感じる震動だった。

「榊様、もう動かないほうがいいよ。前が傷ついちゃうからね。分かるでしょ?」

 残酷な笑み混じりの声で言われ、泣きながら、祀理は頷くしなかった。
 必死に内部の震動を堪えながら、花を生けられていくのに堪える。
 それから今度は大人しくクリップを元の位置に戻した桜を眺め、それから胸への痛みに震えそうになるのを堪えた。

「こんな感じかな――……後は、着物と紐と口の所に飾ろうか」

 最早快楽が強すぎてどうしようもない体で、ぼんやりと祀理はそれを聴いていた。
 気づけば、乱れた着物の胸元に、いくつもの花を飾られていた。
 そして体を拘束する紐の全てに花をクリップで留められていく。

 男根を拘束されている紐にも、その紐が絡め取っている木の棒に巻かれた紐にも、花は飾れた。それから口の拘束だけをほどかれ、何だろうかと思っていると――

「ふぁああっ」

 生花を口の中に何本も押し込まれた。
 舌を茎の切り落とされた枝の突起やトゲが刺激する。
 際限まで大きく唇を開かされ、花を銜えさせられた。

 いまだに内部の震動は変わらないのに、今度はそれを機具で固定され、体の動きを封じられる。そしてそこもまた花で彩られた。


「さて、皆様、暫しご鑑賞下さい」


 不意に柊が言った。
 その時障子が開いて、弟の八坂舞理や、二葉佳織、四條由真と六月晴海が入ってきた。

「うわぁ、お兄ちゃん、凄く綺麗だよ」
「本当だねぇ、祀理くんは、生け花が上手だね」

 舞理と佳織の声を、クラクラしながら祀理は聞いていた。自分でも虚ろな瞳で涎をダラダラ零しているのが分かる。

「へぇ、さすがは榊様」

 六月が笑うと隣で、由馬が頷いた。

「すぐにでもかぶりつきたくなる」

 彼らに眺められたまま、祀理は意識を飛ばしたのだった。
 羞恥と快楽で、最後に涙がこぼれたが自覚すら出来なかった。